おしろ宮殿

一寸一杯お気軽に

映画BEAT CHILDは体力に自信のない方にはお勧め出来ません!

 あんまり大丈夫じゃありません!!

ベイビー大丈夫かっ!と何度もタイトルや劇中ナレーションで問われたので率直に答えますと、この映画を見終わった時私は、映像から伝わってくるあまりのエネルギーと暴風雨に体力ゲージを削られてしまいグッタリしてしまいました。
(すぐさま土間土間で鍋を食べて回復しました)

とんでもないことになってました。
楽しむではなく耐え抜くというエクストリームロックフェスでは、アーティストから繰り出されるMCは「大丈夫か!」「生きてるか!」「頑張ろう!」なのです。ほとんど災害じゃねーか!

日本初の大型野外ロックフェスのドキュメンタリー映画ですが、若くて濃ゆ〜〜い出演陣のギラギラとしたとんでもないエネルギーと、シャレにならない暴風雨に見舞われ死地に立たされる観客と現場の緊迫具合が、まあ凄い、とんでもない事になってました(2回目)。びしょ濡れでいいじゃないってレベルじゃない。まさに壮絶。見ている方も震え上がります。

しかし大雨の中で懸命に、時にやけくそ気味に、そして雨を武器にするかの様な圧倒的パフォーマンスを見せるバンドマン達…神がかっておりました。

そんな中でも、機材が壊れて遂には自分の声を返すモニターすら無くなる中歌い続ける白井貴子さんのシーンは特に凄まじかったです。
袖で出番を前に不安そのものな顔をして怯える姿から、ステージ上でほとんど裸一貫になっても歌い続ける姿への展開は、なんとドラマティックでかっこいいのでしょう。

他にも、和製プリンスキタ━(゚∀゚)━!!なキレッキレなヤング岡村ちゃんや、少年の様に無邪気なバックステージでの姿と狂気すら感じるステージでの熱唱が対照的なカリスマ・尾崎豊や、布袋さんと氷室ックがシンクロしてかわいい&カッコイイ在りし日のBOØWY、わかりはじめた渡辺美里レボリューション、美味しいとこ持って言っちゃう安心の大トリ佐野元春などなど、もうとにかくえらいラインナップ。

途中何度も、凄い・恐ろしい・寒い・かっこいい・ヤバい・美しい・悲しい…など次々に押し寄せる感情にポップコーンを喉に詰まらせながら、ただただ圧倒され続けた2時間半でした。緊迫ホラーアクション映画とか見るよりヒヤヒヤドキドキする!超疲れた!

そして私的に一番うわああああああとなったのはブルーハーツ
甲本ヒロトさんのピュアでエネルギッシュでこれがロック…と言わんばかりのエモーショナルさに痺れるばかり。

私は当時まだ未就学児でしたので、現在40代以降の方が感じるであろう青春懐古的な気持ちは余りなく、むしろ新鮮な気持ちで観る事となりました。
ですので、まだ生まれてもいね〜よってな今まさにBEAT CHILDと言うべき世代の方が観ても楽しめると思いますよ。

それにしてもこのドキュメンタリー見ちゃうと、近年のロックフェスの高齢化がゆゆしき問題と感じてしまいます…それだけロックシーンが成熟してきたって事でもあるんでしょうけど、それにしても大御所ばっかりのフェスが目立つので、Young Oh!Oh!な世代の台頭を願っております。