おしろ宮殿

一寸一杯お気軽に

劇場版BUCK-TICK ~バクチク現象~ 前篇 観てきた!

 

めっちゃ号泣した。

 

自分、トレーラー見た時正直いってガッカリしたんすよ!!

って言うのも、私の中でアーティストのドキュメンタリー映画と言えば、AKBの様に山あり谷あり涙ありのドラマティックなものか、はたまたアンヴィルの様な破天荒バンド友情ものとか、とにかく明確なシナリオの見える作り込まれたものをイメージしていたんです。

まあBUCK-TICKにそんな大げさな演出が似合うはずもないんですが、先入観というか「そういうもの」という認識があったので、あの地っ味なトレーラーを見た時は「えっこれ大丈夫!?」と、「そんなカメラアングルでごまかしても、今のシーンスタジオに入ってきただけだよね?www」と思ってしまったのでした。

劇場版バクチク現象なんて言うから、B-Tの歴史25年を振り返りつつまとめたりもするのかな?とか、全然的外れな想像を膨らませちゃっていたわけで。

しかし蓋を開けてみればまあ、予想以上に地味でしたが、んめっちゃいい映画だった!!
いや、いい映画ではないな、「BUCK-TICKファンにとって観れば胸が熱くならずにいられない映像が映画として公開された、サンキュー!(パンサーと見せかけて堀内孝雄)」だな。

ファンだからこそ分かる、これぞBUCK-TICK!という作品でした。
したがってコアなB-Tファン以外にはちょっと退屈かもしれません。ミュージシャンの生々しいレコーディング風景は音楽をやってる人には興味深いかなと思うけれど。

実際、全然B-Tに興味のない友達を連れていって「これがB-Tやで!」と紹介するつもりでいましたが、全くそんなイントロジューシィーな作品ではなく、そういう意図ならば自分でムービーメーカーで動画編集してMAD的なものを作った方がマシです。

しかしその「淡々とした」「過剰なサービスのない」剥きだしのかっこよさこそ、B-Tなのだなあと思いました。映画のシンプルなスタイルが、ちゃんとB-Tの側面を表現する様に意図していたんですかね。

細かなシーンについては色んな感想がありますが、一番「ああ、これが25周年続いた秘訣か」と思わされたのが、今井さんの言うニュアンスを本当にこの人プロ25周年目のベーシストなの?wというおぼつかない手つきで探りながら、穏やかに認識合わせをするゆうたのシーンです。

バンド内で張り合って、それぞれの技術や個性を切磋琢磨させるスタイルもあるかと思いますが、B-Tのこのスタイルも、これまたもう…素晴らしいよねえ、という。

変わらないスタンスで毎回変わる刺激的な音楽を作り続けるって理想なんじゃないの?
ファンになった18年前、“誰もが羨む理想のバンド”にB-Tが成るなんて想像もしてなかったなあ…。

私が好きになった頃、B-Tはビンビンに尖っていてファンを寄せ付けない空気すら醸し出していましたが、時は流れ、メンバーもファンも大人になり、色々な想いを経てこの様な映画が誕生したんだなあと思うと、ひたすら感慨深く、後半ボロッボロ泣いてしまいました。あぐふぅ!

てゆーか涙を誘う様な演出やシナリオはどこにもないと言うのに、私を含めた横一列みんな号泣してました。厨のいる世界!!It's a CHU World!!
もしこの場にB-Tに興味のない友達を連れてきていたら、マジで何で泣いてんのか分からなくて震え上がっていた事でしょう… We are B-T…

そんでもってトドメ、ヒデ作のテーマソングよすぎるよ!!!私の中ではヒデは4年周期くらいでとんでもない名曲を生み出すイケメンオジサンという事になっているのですが、これは久々にきた!!!超ド級のヒデソングがあああああ(号泣しながら)という感じでした。世陸の織田裕二ばりに感動を絶叫したい。

その他に、

  • 声に出して漫画の擬音言っちゃうオタクっ気ありのあっちゃん
  • ヒデのすっとぼけ優しさ自然体
  • アニイの職人気質オーラの格好よさ
  • ゆうたの癒し
  • 今井さんのワガママチャーミング風味
  • あっちゃんの意外とちゃんとしたまとめ役感
  • 見切れる律儀に挨拶するcali≠gari研次郎さん
  • などなど、見所満載でした!


愛と、そして熱狂に溢れた、実にすてきな映画だったと思います。
後編が楽しみで仕方ないですわ。